空間を活かすアプローチ、ライブ演奏、機械的な装置等の導入で表現の新たな地平を切り開くカンパニーの公演制作
2001年、演出家 藤田康城、詩人・批評家 倉石信乃、アクター 安藤朋子、プロデューサー 前田圭蔵、音楽家 猿山修によって設立されたカンパニー。
その後、テキスタイルコーディネーター・デザイナー 安東陽子、グラフィックデザイナー 須山悠里、テキスタイルデザイナー 渡部直也、美術家 高橋永二郎、パフォーマー 茂木夏子、制作 福岡聡(カタリスト)らがコアメンバーになる。
ソロ・パフォーマンスを軸としながら多分野の人々とコラボレーションし、演劇やダンスといった枠を超えて、ヴィジュアルアート、音楽、建築、デザインなどのクリエイティブ・ワークと呼応するフィジカル・シアターである。
長年に渡るサミュエル・ベケット研究の成果として、ベケットにインスパイアーされた作品も上演。東京ワンダーサイトや、群馬県桐生市のノコギリ工場跡地、東京・西麻布スーパーデラックス、横浜・BankART NYKなど既成の劇場ではない空間での上演も多く、そのサイト・スペシフィックなアプローチや、身体と共振するライブ演奏、メカニカルな装置の導入等を通じて、身体表現の新たな地平を切り開こうとしている。
海外公演も多数。近年はインドの演劇人との交流を深めている。
2006年初演。2017年のキプロス上演を含め、長年世界をツアーしてきたARICAの代表作の一つ。2020年の公演では、実際に駅の構内と地続きにあり、電車の音も聞こえるBankART Stationの特異な空間を生かすよう、美術に西原尚、映像に越田乃梨子を新たに迎えた。福岡ユタカによる音楽も一新し、単なる再演に留まらず大幅にアップデートされた。
自身の身体をゴムロープに結びつけ、その伸縮を利用して、ペットボトルの水と新聞を陳列する奇妙な「KIOSK」の女店員の話。そのゴムロープは女の過去のロープダンサーとしての記憶につながる。労働をテーマに、被抑圧者の無情や自由への希求、労働の労苦とそれに熟練した誇りなど、様々な感情の様相が浮かび上がる。
日程: 2020年2月9日(日)~11日(火) 計5公演
会場: BankART Station(横浜・新高島)
参加アーティスト:
演出:藤田康城
コンセプト・テクスト:倉石信乃
出演:安藤朋子
音楽:福岡ユタカ 高橋永二郎
美術:西原尚
映像:越田乃梨子
TPAM(国際舞台芸術ミーティング in 横浜)フリンジ参加作品
主催:カタリスト / ARICA
助成:芸術文化振興基金