空間を活かすアプローチ、ライブ演奏、機械的な装置等の導入で表現の新たな地平を切り開くカンパニーの公演制作
2001年、演出家 藤田康城、詩人・批評家 倉石信乃、アクター 安藤朋子、プロデューサー 前田圭蔵、音楽家 猿山修によって設立されたカンパニー。
その後、テキスタイルコーディネーター・デザイナー 安東陽子、グラフィックデザイナー 須山悠里、テキスタイルデザイナー 渡部直也、美術家 高橋永二郎、パフォーマー 茂木夏子、制作 福岡聡(カタリスト)らがコアメンバーになる。
ソロ・パフォーマンスを軸としながら多分野の人々とコラボレーションし、演劇やダンスといった枠を超えて、ヴィジュアルアート、音楽、建築、デザインなどのクリエイティブ・ワークと呼応するフィジカル・シアターである。
長年に渡るサミュエル・ベケット研究の成果として、ベケットにインスパイアーされた作品も上演。東京ワンダーサイトや、群馬県桐生市のノコギリ工場跡地、東京・西麻布スーパーデラックス、横浜・BankART NYKなど既成の劇場ではない空間での上演も多く、そのサイト・スペシフィックなアプローチや、身体と共振するライブ演奏、メカニカルな装置の導入等を通じて、身体表現の新たな地平を切り開こうとしている。
海外公演も多数。近年はインドの演劇人との交流を深めている。
ARICA 4年ぶりの新作公演。どこかの小さな「島」が舞台。長い歴史と政治の中で「中央」に翻弄され続けてきた「島」のようであり、その孤立性は生きることの過酷さを表している。一人の島の女の剥き出しの孤独=孤島性を、過酷でユーモラスな身体行為、奇妙な装置、声に共振するライブの音響によって立ち上げる。
五十嵐太郎氏(建築史・批評家、東北大学教授)のレビューより抜粋:
「けっして水平になることがない可動の空間装置は、かつてクロード・パランが提唱した斜めの機能、もしくは荒川修作+マドリン・ギンズの建築的な作品を想起させた。不安定な台は、ガタガタと動き、安藤が場所を変えると、すぐに重心がずれて別の方向に傾く。斜めの機能とは、従来の建築が絶対的な条件とした水平と垂直に代わる、第三の軸としての斜めの空間を提唱し、そのダイナミックな運動性を積極的に評価するものだ。島は人工的な構築物ではない。ゆえに、知的なテキストとは逆に、不規則な地盤のうえで、絶えずバランスをとりながら立つことが要請され、生の身体性がむきだしになる。その緊張感に満ちた舞台だった」
(出典:https://artscape.jp/report/review/10152792_1735.html)
日程: 2019年1月31日(木)~2月4日(月) 計5公演
会場: BUoY(東京・北千住)
日程: 2019年2月15日(金)~2月17日(日) 計4公演
会場: ARICA特設会場(横浜・関内)
参加アーティスト:
演出:藤田康城
コンセプト・テクスト:倉石信乃
出演:安藤朋子
音楽:福岡ユタカ 西原尚
TPAM(国際舞台芸術ミーティング in 横浜)フリンジ参加作品
助成:芸術文化振興基金